相続税の概要About Inheritance-Tax
相続税とは、相続によって取得した財産に対して課される税金です。下の図の通り、(1)プラスの財産からマイナスの財産を引いた金額(相続税の課税価格の合計額)が(2)基礎控除額を超える場合には、相続税が計算されます。その場合、相続開始の日から10ヶ月以内に税務署に対し(3)相続税の申告書を提出する必要があります。
プラスの財産+ | 財産 |
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死亡保険金 | 「500万円×法定相続人の数」(非課税限度額)を超える金額(相続人のみ非課税) | |
死亡退職金 | 「500万円×法定相続人の数」(非課税限度額)を超える金額(相続人のみ非課税) | |
一定の贈与財産 | 3年以内の贈与財産や相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産など | |
マイナスの財産▲ | 債務 |
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葬式費用 |
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相続税の課税価格の合計額 | 「プラスの財産+」-「マイナスの財産▲」 | |
基礎控除▲ | 3,600万円+600万円×法定相続人の数 | |
「相続税の課税価格の合計額」から「基礎控除」を差引いた金額があれば相続税の申告が必要です! |
相続スケジュールSchedule
- | 仏事など | 税金 | 法律 | 左記以外の手続 |
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お亡くなりになった日(相続開始) |
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7日以内 |
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3ヶ月以内 |
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4ヶ月以内 | ||||
10ヶ月以内 |
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1年以内 |
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3年以内 |
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(注)個人事業を営んでらっしゃった方がお亡くなりになり、その相続人の方が事業を承継された場合、事業承継に伴い、税務署に対し必要に応じて次のお手続きが必要です。
【所得税関係】
- 個人事業の開業届出書の提出 1ヶ月以内
- 青色申告の承認の申請 原則2ヶ月以内(ただし、お亡くなりになった方が青色申告者であった場合、死亡した時期によって提出期限が異なります)
- 給与支払事務所等の開設の届出 1ヶ月以内
- 青色専従者給与に関する届出 2ヶ月以内
【消費税関係】
*一定の方法により基準期間における課税売上高を計算することにより、お亡くなりになった年において相続人の方に消費税の納税義務があることとなった場合は必要に応じ下記のお手続き。
- 消費税課税事業者の届出 速やかに
- 消費税簡易課税制度選択の届出 お亡くなりになった年の12月31日まで
相続税申告スケジュールDeclaration schedule
※以下、当事務所との相続税の申告のスケジュールとなります。
初回面談 | 下記のことをお伺いさせて頂きます。
*初回面談時、下記の資料をご用意いただけますと当事務所の相続税の申告の報酬のお見積りと概算の相続税額を早くご提示できます。
以上をもとに、次回面談時まで当事務所で相続税の申告の報酬の見積りと概算の相続税額をご提示いたします。 *あくまでも、当事務所の報酬の事前見積りを実施いたしますのでご安心ください。 |
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次回面談時 | 下記のことをお打ち合わせさせて頂きます。
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3回目以降面談時 | 下記のことをお打ち合わせさせて頂きます。
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相続税の申告 |
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相続税の申告後 |
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相続に対する思いThink for the inheritance
この度、ご家族を失われたご遺族様は、深い悲しみに暮れられているとともに、大変な疲れを感じられていることと思います。私も、過去、突然父親を亡くした経験があります。そのときのことを振り返りますと、病院からの父の遺体の搬送から始まって、通夜・告別式の段取り、その他もろもろの手配を無我夢中でやって、ほとんど眠れなかった記憶がよみがえってきます。告別式が終わって、家族と自宅に戻ったとき、再び深い悲しみに加えて疲れが一気に襲ってきました。その後四十九日が終わるまでは、仏壇や墓石、法事の手配のほか、相続預金の手続き、不動産の相続登記、遺族年金の裁定請求、死亡保険金の請求手続き、企業年金の手続き、準確定申告など等、また、これらの手続きに伴う役所への戸籍謄本等の交付請求など、なかなか頭と体を休める日がなかったことを思い出します。
一般に、自身が相続の当事者になることは、人生の中でそう頻繁にあることではありません。ましてや、相続税の申告の手続きが必要となるご遺族の方はそう多くありません(しかし、平成27年の相続税の課税ベースの引下げ以降、一概に言えませんが)。
当事務所は、相続税の申告期限までの10ヶ月間、ご遺族様の負担軽減を第一に考えて相続税の申告と申告に付帯する様々な相続に関する手続きのサポートを行って参ります。
最適な遺産分割…これは一番大切なことです。民法では、様々な規定(特別受益、寄与分、遺留分など)を置いてご遺族様の公平を図っています。一方、相続税のかかるご相続の場合、どなたが、どの財産を取得するかによって相続税の納税額が変わってくる場合がありますので、相続税の納税額、というもうひとつの視点を遺産分割において考慮していかなければなりません。
日本の相続税は、遺産の総額と相続人の数によってご遺族様全員が納めるべき相続税の総額が計算されるため、原則として、遺産分割によってこの相続税の総額が変わることはありません。つまり、日本の相続税は、遺産分割に対して中立的なのです。
しかし、相続税では、取得された財産の性質やご遺族の事情に配慮して、相続税の負担を軽減する様々な規定を置いていますので、遺産分割の結果によって、相続税の納税額が変わってくることになります。
さらに、たとえば、今回お父様がお亡くなりになったことにより相続税の納税があって、将来お母様がお亡くなりになった場合にも相続税のご納税が見込まれるようなとき、その将来の相続税の納税も考慮して、今回の遺産分割を考えなくてはならない場合があります。
相続税のご納税が見込まれる遺産分割にあたっては、相続税の負担をも考慮していく必要があり、当事務所では、こうした面からの最適な遺産分割をサポートして参ります。
相続税の申告が終わりましてからも、遺産分割協議を踏まえた預貯金の清算、財産中に賃貸不動産か含まれている場合の家賃収入の清算、ご相続により取得された不動産の売却、所得税の確定申告、相続税の申告期限までに遺産分割が終らずその後に分割がされた場合の相続税の還付の請求等、相続税の税務調査など、まだまだ行わなければならないことがございます。
また、今般のご相続を通じて、将来のご相続(二次相続)に備えた対策が見えてきたりもします。ご家族を突然失うという不幸にして悲しい出来事に遭われたご遺族様とともにあわただしく乗り越えてきた10ヶ月、この長くて短い期間におけるご遺族様との出会いを、私はいつまでも大切にしていきたい、と考えております。
当事務所は、相続税の申告後のアフターフォローも十分に行って参ります。また、ご遺族様には、ご相談事がございましたら、何でも、お気軽にお問い合わせいただけましたら、と思います。
生前対策に対する思いThink for Antemortem measures
私は、この業界に入る前、銀行に勤務しておりました。その間、不動産を多く所有する個人の融資先のお客様を何件か担当いたしました。相続に関する知識のなかった当時の私には、企業のお客様であればともかく、個人のお客様がなぜこんなに多額の融資が必要だったのか理解できませんでした。しかしお客様の取引に関する過去の経緯をよく調べていきますと、そこに相続が絡んでいることがわかりました。当時はバブル崩壊後で、資産価値の目減りも著しく、資金繰りの苦しいお客様もありました。銀行員は、広く・浅くしか知識を持ち合わせませんし、融資の審査をするという立場上、お客様に対して踏み込んだアドバイスをする、ということはありません。そのような中で、銀行員としての限界を感じましたし、資金繰りで困っている個人のお客様に対し、そうなる前に何とかできなかったのか、取るべき方法が何かなかったのか、など考えたりしました。そうなる前に何とか…、とは、もちろん生前対策のことです。これこそ私が税理士、とりわけ相続税に関する専門家になりたいと志した原点であります。
生前における相続対策は、いずれはしなければならないなと思いながら年月が過ぎて、結局何も行わない、という方がほとんどだと思います。しかし、「相続対策は、元気なうちにしかできない!」。語られ尽くされた言葉ですが、まさにそう実感いたします。
当事務所は、このなかなか腰の重い生前対策につきまして、お客様とともに考えながらしっかりとサポートして参ります。
私たち税理士は、相続税の申告をお受けするという立場上、ご相続が発生してからお客様とのお付き合いが始まるということがほとんどです。その中で、生前にこうしておけば相続税のご納税額が少なくてすんだのでは、とか、こうしておけばご遺族の方が遺産整理に苦労されずに済んだのでは、とか、さらには、これは相続税の節税対策としてされたと思われるもののまったく意味のないものだった、などと思うことにたびたび遭遇します。ただ、ご相続が始まってからこのようなことを思ってもどうしょうもないのですが…。
生前対策は、なにも相続税の対策だけではありません。遺言書を書くとか、エンディングノートを作るのも対策のうちではあると思います。しかし、私がまずもって重要だと思うことは、現在お持ちの財産の把握とその整理(処分ではありません)であると思います。財産の把握、とは何も評価額がいくらなのか、とか、相続税がいくらになるのかということだけではありません。たとえば、生命保険であれば契約がどうなっているのか、土地であればどのような区域にあるどのような種類の土地なのかからはじまって、先代からずっと名義変更していない土地はないか、借りている土地があるがその契約は今現状どうなっているのか、経営されている会社があれば、会社の定款や退職金その他の規程の整備がされているのか、誰が株主なのか…等などです。そして、財産の整理、とは、財産の把握を踏まえたうえで、生命保険であれば保障の内容や受取人の見直し、土地であれば将来も残すべき土地なのか・活用をしたほうがいいのか・買換えを考えるべきなのか・借地契約の見直しが必要なのか、会社であれば事業承継を見越した定款等の整備や株式の整理が必要なのか…等などです。このような財産の把握と整理なくして、相続税対策はありえません。逆に財産の把握と整理自体が重要な相続税対策といっても過言ではありません。
これらを進めていくにあたっては、税理士の業域を超えるものもあります。当事務所では、私が尊敬している他の士業の先生方や保険の専門家の方、その他当事務所をバックアップしてくださる様々な方々と連携しながら生前対策を進めて参ります。
企業に対する思いThink for company
「生前対策に対する思い」の中でも書きましたが、私は、この業界に入る前、銀行に勤務しておりました。銀行員は、広く・浅くしか知識を持ち合わせませんし、融資の審査をするという立場上、お客様に対して踏み込んだアドバイスをしない、ということも書きました。このことは、企業のお客様に対してもいえます。ただ、銀行員は決算書をもとにお客様の財務内容の分析を非常によく行います。決算書に添付されている貸借対照表・損益計算書や固定資産台帳・勘定科目内訳書などをみて財務内容の健全性はどうなのか、それらを前期と比較して企業の資金はこの1年間どう流れたのか、収益性はどのように変化したのかなどの検討を行います。そして、お客様ごとにいわゆる信用格付け(金利の水準、担保の充足率などの指標となるもの)を行っていきます。ただ、これらの成果を銀行員は、融資をセールスできるお客様なのか、業況は悪いけれども何とか現状どおり融資額を維持していけるお客様なのか、を判断するための手段として活用するのみなのです。
決算書はお客様の1年間の活動実績の結晶です。企業の財務内容は、まるで生き物のように、毎年変化していきます。しかし、その変化はお客様の1日ごと、1ヵ月ごと、半年ごとに起こっていることなのです。その変化は、銀行員という立場ではなかなか把握することができません。
当事務所は、毎月お客様のところに訪問します。そして、決算書を作成する基となっている帳簿・書類を確認しつつ毎月の業績の推移を把握しながら、お客様に対して、お客様のいわば内側から、適切な助言を行って参ります。もちろん、資金繰り・資金調達などのご相談も積極的にお受けして参ります。
私は、税理士として独立開業する前、会計事務所に勤務しておりました。会計事務所の担当者としてお客様の決算を見ると、赤字のお客様が多い、という印象を受けました。会社の場合、会社の利益は年に1回見直される役員報酬の額を多くすることによって少なくすることができます。
お客様が会計・税務を委託している会計事務所のなかには、万が一税務調査があって修正申告をする必要が生じたとしても会社の税金の負担が生じないように、役員報酬の額を毎年赤字になるよう多めに設定したほうがいいと闇雲に助言したりしているところはないでしょうか。そして、このような会計事務所が決算の時に、「会社は今期も赤字です、なので会社の利益に対する税金はゼロ(法人住民税の均等割はありますが)です。」と説明すると、お客様も安堵される…。果たしてこのような状態がずっと続いていいのでしょうか?
会社が銀行からお借入れをしている場合、毎月の元金の返済は、会社に利益としてお金が残ることによって初めて可能となります。借入金の返済額を考えずに役員報酬の額を多めに設定すると、いったん役員報酬として社長個人の口座に入金したお金をまた会社に戻すこととなり、資金繰りが苦しく感じるとともに、会社において社長からの借入金がどんどん増えていきます。さらに個人の役員報酬に対する税金や社会保険料を考えますと、会社の税金よりも多くそれらの負担が生じていることもあります。会社の税金は最近税率が軽減されてきており、中小企業であれば社会保険料を含めた個人に対する税金よりも低い場合があります。また、役員報酬の額を多めに設定し会社が赤字続きとなりますと、会社の財務内容が悪化し資産が負債を上回る状態となれば、銀行からの追加融資に支障が生じてくる可能性もでてきます。
それから、よく節税策として一部経費で落とすことができる生命保険に加入されているお客様があります。年間の保険料が100万円として、そのうち半分の50万円を経費で落とすことができるとすれば、税金はおおよそその4分の1(中小企業の年間所得800万円以下の部分に対するおおよその税率)、約12万円軽くなります。しかしこれは、逆に言えば税金を12万円軽くするため年間100万円の支出をしなければならない、ということでもあります。保険料の払込期間中に赤字の年があれば、年間100万円の保険料が丸ごと負担となり資金繰りを圧迫することになります。私は、生命保険は目先の節税対策というよりも、企業防衛や退職金の積立など明確な目的が伴わなくてはならない、と考えております。なぜなら、生命保険の加入は、上記のとおり、会社の資金繰りに長期にわったて影響してくるからです。
当事務所、果たしてお客様が実行されている方法が、個人と会社を含めたトータルの節税に役立っているのか、節税と金融のバランスがとれているか、などをしっかり見極めて、お客様に助言して参ります。
企業にも終わりがある…これは、長年会計事務に携わってきた私の実感です。会計事務所には、たくさんの企業のお客様があります。お客様の決算書の表紙をみますと、会社設立(第1期)から長いものでは30期、50期を超えるお客様までさまざまです。しかし、30期を超えるお客様はなかなかありませんし、50期を超えるお客様は非常にまれです。一方、起業のときからお手伝いさせていただくお客様も少なくありません。起業して、会社へ移行し、従業員を雇用して売上も順調に増加していくお客様がいらっしゃれば、起業当時の思惑がはずれて業績が悪化していくお客様もいらっしゃいます。会計事務所は、お客様とこの苦楽をともにしていきます。何かのご縁で起業をお手伝いさせていただいたお客様です。当事務所は、業績が悪化したからといってお客様とのお付き合いをやめるというようなことは一切いたしません。最後の最後までお客様とともにある、という覚悟でお手伝いさせて頂きます。
事業承継とは、まずもって人の承継と技術の承継ありき、だと思います。この2つの承継の後に続くのが物の承継だと思います。会計事務所がお手伝いさせて頂くのは、この物の承継です。会計事務所は、お客様の毎年の決算と申告をお手伝いさせて頂きますが、当事務所は、それだけでなく、事業承継という視点からもお客様の将来を見据えてお手伝いして参ります。