栃木県宇都宮市にある相続・企業会計・独立開業・法人成りなどに関するトータルサービスの税理士事務所

株式等 持分会社の出資持分

Home » 相続税・財産 » 株式等 持分会社の出資持分

株式等 持分会社の出資持分

持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社のことで、株式会社や有限会社と同じく、会社名にこれらの組織名を冠した会社です。これらの会社の出資者を社員といい、会社の資産から負債を差引いた純資産に対し、出資額に応じて出資持分を有します。お亡くなりになられた方か、こうした形態の会社の社員である場合、その方の出資持分は相続財産となりますが、株式会社や有限会社の株式とは異なる取扱いがあります。
持分会社の社員は、死亡が法律上の退社事由となっています(会社法第607条第1項第3号)。これらの会社は、社員の個性と会社との人的な結びつきが重視さているからです。社員が死亡したことによって退社しますと、死亡した社員の相続人はその出資持分(あくまで出資額ではなく、持分に応じた純資産額)の払戻しを会社に請求することができます(会社法第611条)。
しかし、会社の根本規則である定款で、相続人に持分を承継することを定めることができ(会社法第608条)、その定め通りに相続人が持分を承継した場合は、出資持分の払戻しはされません。
会社の定款にこの定めがあるかどうかで、相続人の方がご負担される税金が相当変わってきます。まず、定款に相続人による持分承継の定めがない場合、相続税の負担が相続人による持分承継を定めた場合よりも多くなるのと同時に、所得税もかかってきます。逆に、定款に相続人による持分承継の定めがある場合、ない場合よりも相続税の負担が軽く、所得税はかかってきません。これら差異は、相続財産である出資持分を、払戻請求権として評価をするか株式に準じて評価をするか、の違いにより生じます。少し難しくなりますが、払戻し請求権として評価する場合、会社の純資産額にのみ基づいて評価します。その際、時価ベースの純資産価額と簿価ベースの純資産価額との差額に対する法人税等相当額を控除することはできません。また、会社の出資持分(純資産)の払戻しは、会社からの剰余金の配当と実質的に異ならないことから、配当所得として所得税が課税されます。
合名会社や合資会社は社歴の古い会社が多く、定款自体が紛失してない、という場合もあるかもしれません。いずれにしても、相続に伴う税金の負担を緩和するためには、定款の見直しが必要です。

お電話でのお問い合せ
無料相談フォーム