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農地の相続税における評価は、相続税の評価基準に基づく農地の区分ごとに、宅地に準じた評価をしたり、その農地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価したりします。
農地の評価は、単純なように見えて、意外と難しかったりもします。
まず、役所においてその農地がどのような地区や区域に所在しているか、調査しなければなりません。そして、宅地に準じた評価をする場合、宅地としての評価額から控除できる造成費をどう見積もるか、多額な造成費がかかると見込まれるため宅地化が困難と認められる場合に純農地として評価すべきかどうか、広大地(詳細は、「財産 広大地」をご参照)として評価すべきかどうか、などの検討を進めていきます。また、縄伸び(登記されている地積よりも実際の地積が広いことを縄伸びといいます。このような場合、実際の地積で評価しなければなりません。)がないか、や貸したり借りたりしている農地はないか、なども調べていきます。
なお、貸したり借りたりしている農地の評価(永小作権の目的となっている農地又は永小作権を除きます)は、それが賃貸借の場合には、原則として借主の借りている権利(耕作権)を評価額に反映させます。すなわち、貸主においては自身が利用している農地(自用地)としての評価額から耕作権の評価額(農地の評価額の50%から30%相当額。地域によって異なります)を差引いた価額、借主においてはその耕作権の価額が相続税の評価額とされます。貸したり借りたりしている農地でも、その貸し借りが、地代の授受のないいわゆる使用貸借である場合や、農地法の許可を経ないで貸し借りしているいわゆるヤミ小作である場合には、貸主においては自用農地としての評価額、借主においては借りる権利の評価はゼロ評価となります。またその農地の貸し借りが、農業経営基盤促進法第19条に基づく賃貸借であったり、市民農園としての賃貸であったりする場合、別途の評価方法があります。この、貸したり借りたりしている農地かどうかを調べるには、農地台帳を役所(市町村の農業委員会)で取寄せる必要があります。
ちなみに、農地の相続税の評価とは全く関係ない話ではありますが、この農地台帳を取り寄せてみると、市町村によって管理がずさんで正確な農地の現況が反映されていないことがあったりもします。過去の農地転用(農地を農地以外の目的に変更することです。その場合、農業委員会の許可又は届出の手続きが必要となります。)などの事実が反映されておらず、依然農地台帳に転用済みの農地が登載されていたりすることもありますし、農地の分筆等による更正後の地積が正しく反映されていなかったりもします。一方、土地の登記簿を取寄せてみますと、お亡くなりになった方が農地転用などの手続きをしたにもかかわらず、登記簿上の地目は依然として農地のままで地目変更の登記をしていないこともあります。農地から農地以外に土地の地目の変更の登記をする際には、農業委員会から交付される農地転用許可証などを法務局に提出しなければなりませんが、時が経つとこの許可証などが無くなっていたりする場合があります。
このような状態がそのまま放置されたままになっていますと、後に残された方がそれを直そうとするときとても大変な思いをすることになります。このような状態を是正していくなど残される側への配慮も必要ではないか、とつくづく感じます。

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