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個人事業主の子に対する事業の承継

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個人事業主の子に対する事業の承継

個人事業主である親が、生前、その子供に対して個人事業を引き継ぐことがまま行われます。そうしますと、今まで親が個人事業から生じた利益(所得)について毎年所得税の確定申告を行っていたところ、事業承継が行われますと、その事業を承継した子供が、その日以降の事業に係る所得について確定申告をおこなっていくことになります。
この場合、まず個人事業から生じた所得が、親に帰属するのか、又は子に帰属するのか、つまり、個人事業から生じた所得について、親が確定申告をすべきなのか子供が確定申告すべきなのかについては、所得税上難しい問題がありますので、まずこの点注意を要します(所得税法第12条、所得税基本通達12-1以降などご参照)。
さらに、親から子供に個人事業の承継が行われますと、同時に親から子供に各種事業用資産(たとえば、商品などの在庫・売掛金・機械設備や車両運搬具など)の承継も行われたりします。その際、事業用資産の承継について、贈与税の検討を行う必要があります。過去、事業承継に伴い、親子間で事業用財産の贈与があったものとして、実際に贈与税が課されたケースがあります(新潟地裁平成3年6月25日判決)。このケースでは、事業を承継した子供に贈与を受けたという認識が希薄だったものの、親が事業用資産を贈与したいという意思を知りながら事業用資産を利用しその利用による利益を享受していたことが贈与の課税に値する(相続税法第9条)として、贈与税の課税は適法である、と判断されました。親子間におきましては、この贈与税の課税の問題が生ずることをしっかりと検討しないまま、安易に事業承継が行われることが意外と多いのではないでしょうか。
そのほか、個人事業の承継に関しましては、消費税の問題や、法人成りの検討などもしていかなければなりません。税理士による適切なアドバイスを仰がれることをお勧めいたします。

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