その他の財産 農業者年金
農業者年金は、独立行政法人農業者年金基金法に基づき、同基金が運営する年金です。加入要件は、(1)国民年金第1号被保険者であること、(2)年間60日以上農業に従事し、(3)60歳未満であること、などです。サラリーマンであれば、国民年金の上乗せとして厚生年金がありますが、それと同じように、農業者年金は農業者に対する国民年金の上乗せとしての位置づけです。認定農業者で青色申告をされている方などの一定の要件に該当すれば、国庫による保険料の補助も受けられます。農業者年金は、平成14年以降、現役世代が納めた保険料によって年金受給者の年金を賄うといういわゆる賦課方式から、自らが納めた保険料とその運用収入を自らが将来受給する年金に充てるといういわゆる確定拠出型に制度が変わりました。先般、お客様からこの農業者年金の加入に関するご相談があったのでいろいろとしらべてみました。農業者年金基金のホームページには、将来受取れる年金の試算サービスもあります。ご加入を検討のお客様は是非ホームページをのぞいてみるのもよいでしょう。
以下、農業者年金の税金に関することをまとめてみました。
(1)加入期間中に支払う毎月の保険料
毎年の所得税の確定申告において、国民年金保険料と同じく「社会保険料控除」が受けられ、支払った保険料は毎年の所得から差し引くことができます。
(2)年金受給中にお受取になる年金収入
毎年の所得税の確定申告において、国民年金と同じく「公的年金等に係る雑所得」として扱われ、1年間に受給された年金収入額から一定の公的年金等控除額を差し引いた金額が課税の対象となります。
(3)死亡時に遺族に支払われるいわゆる未支給年金(年金受給者の死亡月分までの年金で死亡後に支払われるもの)
国民年金と同趣旨から、受給される遺族の方がされる所得税の確定申告において「一時所得」として扱われ、所得税の課税の対象とさる一方、お亡くなりになられた方の相続税の申告においては相続財産とはされません。
(4)死亡時に遺族に支払われる死亡一時金
独立行政法人農業者年金基金法第27条の規定により、相続税、ご遺族の方の所得税ともに課税されません。