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家屋 中古マンション

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中古マンションの相続税評価額は、原則として、マンション敷地の自用地としての評価額に敷地権割合(他のマンション所有者との共有持分割合)を乗じて計算した土地の価額と、建物自体の固定資産税評価額相当額×1.0倍との合計額です。
しかし、その中古マンションの時価が、上記の原則的な評価方法による価額に比べて下落しており、上記の評価方法により難い特殊な事情がある場合には、他の合理的な方法により評価することも認められる、と判断された事例があります(国税不服審判所平成22年9月27日裁決)。
この事例における中古マンションは、昭和56年5月に建築されたもので(築26年以上経過)、現行の耐震基準に適合しておらず、2・3年に一度地下の排水溝があふれ出すことがあったり、外国人向けの仕様で床のいたみも相当に激しくリフォームすると1,500万円の費用がかかるなどの事情がありました。このマンションを取得した相続人は、相続後すぐに売り出しましたが、相続税評価額よりも500万円以上も低い値段でしか売れませんでした。結果、このマンションは、実際の売却金額に基づいて評価すべきであるとされ、相続税を納めた方の主張がおおむね認められました。
相続税評価額とは、本来不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち時価が原則ですが、評価の便宜上、税務署が定める画一的な評価方法としての財産評価基本通達に基づいて評価することも合理性がある、と解されています。逆に言えば、相続により取得した不動産に、この税務署が定めた評価方法により難い特殊な事情があると認められる場合には、たとえば上記の事例による実際の売却金額に基づいて評価することも認められるものと解されます。ですので、相続税の申告をした後、不動産を売却した時に、このような視点から相続税の申告をもう一度見直す、ということも、税金の納めすぎを避けるため重要なことではないか、と思います。ただ、すべての事案について、実際の売却金額に基づく評価額が認められるとは限りません(そのような事例も多々あります)。あくまで税務署が定める原則的な評価方法により難い事情があるかどうか、がポイントとなりそうです。
逆に、同じ中古マンションでも、都内の数十階建てで時価数億円もする高級マンション(いわゆるタワーマンション)は、原則的な相続税の評価方法により評価しますと、時価より著しく低い評価額となることがあるようです(場合によっては購入価格の2割程度となることもあるようです)。この実勢の価額と原則的な相続税の評価額との差額を利用して、近年相続税や贈与税の節税を図ろうとするケースが見られる、とのことです。が、このような節税策について国税局が厳しくチェックを行うよう動き出した、といわれています。なお、税務署が定める財産評価基本通達には「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」との定めがあります(財産評価基本通達6)。原則的な相続税の評価方法を逆手に取ったような行過ぎた節税策は、税務署から認められなく可能性がある、ということも一方で念頭に置いておくべきだと思います。

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